星野耳鼻咽喉科 睡眠呼吸センター

西宮 いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療・検査

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星野耳鼻咽喉科睡眠呼吸センター

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メディア掲載02(鼻の基礎生理学と臨床生理学)

はじめに

一時臨床から長く離れ、基礎医学で鼻に関する電気生理学的研究を行っていた。当時は基礎医学者として電気生理学的現象を精確に導き出すことに専念し、その解釈は敢えて避け、解釈は臨床医が行えばよいと考えていた。

開業から約20年経過し、ようやく基礎時代の研究から様々なこと、特に耳鼻咽喉科の臨床呼吸生理学が理解できるようになった。 とりあえず普段臨床現場で筆者が必要なsleep-related breathing disorder(SRBD)についての基本的な考え方を基礎的研究と絡め簡単に書きとどめさせていただいた。

 

いびき 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では閉塞が様々な場所で起こりうる。特に鼻は鼻呼吸時の吸気の最初の解剖学的入り口(respiratory inlet)であり、呼気の最後の出口(respiratory outlet)でもあり全呼吸器系のセンサー、効果器の一部として組み込まれている。鼻閉が睡眠呼吸障害に著しく関与すると考えるのは、耳鼻咽喉科医でなくてもヒポクラテスde Morbis Popularibis” (Περί Επιδημιών)の世より当然で直感的でもあり万人に理解されているところである。

古くから鼻呼吸のメカニズムがsleep-related breathing disorder(SRBD)、睡眠構築に非常に関係することが多くの論文からも明らかにされている。図1

鼻閉はそのメカニズムからAuto-Peepを発生させる可能性がありauto-peepの増大は静脈還流を制限し肺の過膨張を起こし吸気の妨げになる。しかし、呼気にわざわざ鼻抵抗を増大させauto-peepによって睡眠時無呼吸を軽減させるCPAPに変わる?治療も出現してきた。ますます鼻の呼吸生理学が面白い。

睡眠時の呼吸に作用する鼻のメカニズムは大きく分類すれば以下の4項目である。

  • 1)スターリング抵抗モデルを基礎としたメカニズム
  • 2)不安定な口腔気道を考慮したメカニズム、
  • 3)戸川、今野、海野等日本の研究者達もその基礎的研究を築き上げてきた呼吸中枢をも含めた鼻肺反射naso-pulmonary reflex(鼻換気反射 nasal ventilatory reflex)メカニズム
  • 4)NOの鼻以下の気道への作用メカニズムである。 図1 スターリング抵抗モデル

スターリング抵抗モデル

正常でも仰臥位では頚静脈に弁が無く中心静脈圧に対して鼻粘膜海綿体、静脈層の静水圧が低くなり鼻粘膜腫脹を来たし鼻腔抵抗が増す。また肺気量の低下のために喉頭、気管の尾側への牽引airway tag(簡単に外来で確認できる)の減少が起こり上気道抵抗が増加する。スターリング抵抗モデルでは鼻の抵抗が様々な要因(アレルギー性鼻炎、鼻ポリープ等)で更に増加するとsuction pressure が負の方向へ更に強くなり咽頭管腔内圧が咽頭閉塞圧以下に容易になってしまう(図1)。

図2すなわち咽頭で閉塞(いびき)が起きやすくなる。Pcrt: pharyngeal critical pressureはこの概念を実験的, 実践的に数式で簡略表現したものである。この表現形態では上気道呼吸抵抗症候群はいびきと閉塞性低呼吸の間に位置するものであり、いびき、上気道呼吸抵抗症候群、閉塞性低呼吸、閉塞性無呼吸全てが連続性を持ち一つの定規に並んだ疾患群であることが良く理解される(図2)。

最大吸気時に意識的に大きく鼻翼を広げるのは一気に換気量の増加を必要とする際Pcrt以下に咽頭管腔内圧が下がらないようにするための積極的自己防衛でもある。

睡眠中では無意識下に吸気時呼吸中枢からの反射として鼻翼拡大筋が活動しnasal valveの拡大が起こり鼻抵抗が減少する。更にPcrtの概念はnasal APAP(通常CPAPと理解されているようだ)の圧コントロールプログラムのために機械内部で測定されているflow limitation、oscilationの理解にも役立つ。

一定のレベル以上の鼻の抵抗(一定以下の咽頭管腔内圧)になれば口呼吸に移行すれば済む (switching)。睡眠中は意識して口呼吸に移行する筈はないので何らかの機構が無意識下に口呼吸へと移行させている可能性がある。

最近の研究では口呼吸へのスウィッチングには鼻粘膜の知覚神経線維(メカノ、プレッシャー、サーモセンサー)からの求心性インパルスが関係しているらしい。鼻粘膜の麻酔実験から睡眠時の鼻呼吸抵抗増大、更には鼻閉はこれら鼻呼吸時の鼻粘膜からの求心性インパルスの情報量が変動すると推測され、これが鼻呼吸から口呼吸へのスィッチになると思われてならない。

私の家兎電気生理学的研究(in vivo)からも鼻粘膜温度センサー(slowly adapting nonmyelinated?)、メカノセンサー(rapidly adapting  myelinated )が同定されたが、実際にそれらが流量、流速、温度、機械、圧刺激の変化に如何に反応するかは未だ確認されていないようだ。 鼻閉は抵抗の変動の少ないFixed type(鼻茸など)と多いvariable type(アレルギー性鼻炎など)に分けられる。Fixed typeでは覚醒中も睡眠中も最初から口呼吸に順応しているであろう。問題となるのは花粉症も含め変化する抵抗を持つアレルギー性鼻炎である。

突然睡眠中に鼻腔抵抗が増し、鼻の知覚神経線維からの鼻腔通気の情報も途絶えがちになりinspiratory resistive loadも増え鼻呼吸から口呼吸へ移行せざるを得なくなる。しかし鼻から口呼吸へのスウィッチは生理学的に不利で不安定な口呼吸となる。

不安定な口呼吸

覚醒中は鼻でも口でも上気道抵抗は同じだが、睡眠中の上気道抵抗は口呼吸より鼻呼吸のほうが低い。

というわけで正常人において睡眠中は口呼吸の割合が7.6から4.3%に減ると報告されている。完全鼻閉が起これば鼻呼吸から口呼吸に移り様々なリスクが発生する。

口呼吸は全気道抵抗を有意に増加させ、咽頭腔を更に狭め、舌の後方移動に伴い舌後方径をちいさくするのでsleep-related breathing disorder(SRBD)を更に悪化させる。もちろん下気道に対する加温加湿の問題も生じる 。

鼻肺反射

実験的に鼻の局所麻酔をしたり、完全鼻閉を作ると中枢性、閉塞性無呼吸が発生することが知られている。先ほど述べたように、これには鼻呼吸の際に活動する鼻粘膜のレセプター(電気生理学的)が非活動的になるからとされている。レセプターは睡眠中の自発呼吸、更には高次で安定した呼吸数、換気量を調節している(鼻肺反射)。

鼻アレルギー、花粉症でレセプターを破壊するような安易なレーザー手術を繰り返してはならないと筆者が考える理由はここにある。この考えはempty nose syndromeにも関係するかもしれない。 口呼吸ではこのセンサーが活動せず鼻肺反射が非活動的となり自発呼吸が減少し、人により潜在的な無呼吸を悪化させたり、現実のものとしてしまう。

NOの役割

NOは鼻、副鼻腔で非常に多く作られ、鼻呼吸を通じて肺に送られ、換気血流比、血液の酸素化をコントロールする。鼻閉の程度により, 肺に送られるNOは減少し肺でのガス交換機能が減弱する。

またNOは中枢性に咽頭筋のトーヌスの維持、自発呼吸、睡眠の調節にも関係しているので睡眠時無呼吸症候群におけるNOの役割は重要とは思われるが、アレルギー性鼻炎、気管支喘息時のNOの動態を含めて考えれば合理的な臨床的解釈は私自身まだ出来ていない。

おわりに

秋田大学耳鼻咽喉科教室に昭和52年入局。当時の戸川教授、今野助教授(後の千葉大学耳鼻咽喉科教授)の夜遅くまでの実験、研究のお手伝いをさせていただいた。

師を越そうと思い、医師としてより研究者としての道を選び、生理学教室で鼻の電気生理学を中心に研究にいそしんだ。生理学研究室の故古谷野速雄教授は私の医学研究、人生の指南役でもあり研究の本道を教えてくださった。

社会にあまり寄与できた研究は少ないが、開業医として、医学という学問を愛情をもって患者に応用し、少なからず社会に貢献できたと思っている。

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