星野耳鼻咽喉科内科 睡眠呼吸センター

睡眠時無呼吸症候群の治療・検査 阪神西宮駅すぐ

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睡眠時無呼吸症候群 SAS

心疾患

 

心不全ではどうなるか

 心臓は全身へ血液を送る左心系、肺へ血液を送る右心系に分かれます。左心系が弱る左心不全では、体動時の息切れ、夜間の咳・呼吸困難、四肢の冷感、脈拍増加などがおこってきます。右心系が弱る右心不全では、主に下肢に浮腫がでたり、静脈が膨れたり、肝臓が腫れておなかの膨満感を感じるようになります、身体活動の自覚症状をもとに、NYHA分類で心疾患の重症度が定められています。心不全の程度も、簡便には問診からこの分類で重症度を推定します。
NYHAは、New York Heart Associationの頭文字です。特別な検査も必要なく容易なため広く使われていますが、疾患別の相違もなく身体活動の内容があいまいなので、患者や医師の主観に左右されやすいのが欠点です。
 ◆心疾患の重症度 NYHA分類
クラス1
心疾患はあるが身体活動に制限はなく、通常の身体活動では疲労・動悸・呼吸困難あるいは狭心痛を生じない。
クラス2
軽度の身体活動の制限はあるが、安静時には苦痛がない。通常の身体活動で疲労・動悸・呼吸困難あるいは狭心痛を生じる。
クラス3
身体活動に強い制限がある心疾患の患者であるが、安静時には苦痛がない。通常以下の身体活動でも疲労・動悸・呼吸困難あるいは狭心痛を生じる。
クラス4
苦痛なしにはいかなる身体活動もできない心疾患の患者。安静時にも心不全症状や狭心症徴候が認められることがある。いかなる身体活動によっても苦痛が増悪する。
   

心不全を見つける検査

 心不全の兆候があれば、以下のような身体検査と心不全かを見つける検査が必要です。
■心音・肺の聴診
 肺の湿性ラ音、過剰心音(V音、W音)がないか。
■胸部X線
心陰影の拡大、肺のKerley line、胸水 がないか。
■心エコー検査
左室収縮能・拡張能の低下がないか調べます。
■血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)測定
BNPは心室の筋肉細胞で合成・分泌されており、心不全で上昇し、重症度に応じて血中レベルは上昇します。40pg/ml以下は正常、100pg/ml前後は病状が安定、200pg/ml以上は心血管事故多発の恐れあり、500pg/ml以上は難治性心不全と判定します(シオノリアBNPによる測定値)。
 
   

心不全(慢性期)の治療

 定期的に通院し、体調管理をする。食生活では塩分を制限(7g/日以下)します。
病状の悪い時期には安静にしておきますが、症状が消失し病状が安定している時期には軽度の体動は許可できます。2kg以上の体重増加は心不全悪化の危険信号ですので、自宅でも体重を測定するようにします。
内服治療は、利尿薬、抗アルドステロン薬、ACE阻害薬、強心薬(ジギタリス)のが基本となり、組み合わせて使用します。症例によってはβ遮断薬やアンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム感受性改善薬(ピモベンダン)なども用いられます。
 
   

心不全に合併する2種類の睡眠時無呼吸症候群

 慢性心不全では睡眠時無呼吸症候群が30〜50%も合併していることがわかってきました。そのうち「閉塞性無呼吸」は心不全を起こす原因となります。これとは逆に、先に慢性心不全があると、それ自体が「中枢性無呼吸」を生み出す原因となります。これらを合併すると生命予後が悪いといわれていますので、心不全があれば、睡眠時無呼吸症候群がないかどうか、気をつけておく必要があります。
 
   

閉塞性無呼吸がつくる心疾患

 睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸による低酸素と覚醒反応が交感神経を刺激し、心臓に休息を与えません。また、閉塞型無呼吸では、胸のなかの圧力(胸腔内圧)が下がって心臓へ戻る血液が増加するため、その増えた血液を送り出さなくてはならないぶん、心臓の仕事量が増加します。その結果、不整脈・虚血性心疾患・心不全・肺高血圧の発生が増加
し、寿命が短縮します。
 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)を一度おこすと、通常5年以内の再発率は9%ですが、睡眠時無呼吸症候群を合併すると再発率が38%まで増加する、と報告されています。
  肥満を伴う閉塞型無呼吸からくる心不全のかたには、はCPAP治療が有効です。
 
   

慢性心不全に出てくる中枢性無呼吸

慢性心不全に合併する睡眠時無呼吸症候群のうち、約4割が「中枢性無呼吸」です。
 呼吸運動は脳の呼吸中枢が血中の二酸化炭素の濃度の上昇を感知して始まります。中枢性無呼吸とは、脳の呼吸中枢の反応が落ちて、呼吸運動が起こらなくなったものをいいます。起きている時に比べ、睡眠中の脳の呼吸中枢の二酸化炭素に対する感受性は鈍くなっており、中枢性無呼吸が出やすくなっています。そのうえ心不全では血液の循環が遅くなり、動脈血中の二酸化炭素(PaCO2)の変動を中枢に伝えるのが遅れるため、睡眠中の中枢性無呼吸の発生を助長します。
   そして無呼吸により二酸化炭素が蓄積すると、次に過呼吸に移行し、脳波上では覚醒反応が起こります。過呼吸はPaCO2を著しく低下させ、それが次の無呼吸を招きます。この繰り返しがチェーン‐ストークス呼吸(Cheyne-Stokes)という無呼吸〜過呼吸の周期的な呼吸を生じます。こういった夜間の無呼吸で低酸素状態がおこると、交感神経の活動が活発になり、睡眠中にも、弱った心臓に負担をかけ続け、心不全を更に悪化させたり、不整脈を起したりして生命予後を悪化させます。
 慢性心不全に合併する中枢性無呼吸ではCPAP治療は有効性が認められず、2〜4L/分の低流量の酸素吸入療法が治療法となります。
 
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