慢性心不全に合併する睡眠時無呼吸症候群のうち、約4割が「中枢性無呼吸」です。
呼吸運動は脳の呼吸中枢が血中の二酸化炭素の濃度の上昇を感知して始まります。中枢性無呼吸とは、脳の呼吸中枢の反応が落ちて、呼吸運動が起こらなくなったものをいいます。起きている時に比べ、睡眠中の脳の呼吸中枢の二酸化炭素に対する感受性は鈍くなっており、中枢性無呼吸が出やすくなっています。そのうえ心不全では血液の循環が遅くなり、動脈血中の二酸化炭素(PaCO2)の変動を中枢に伝えるのが遅れるため、睡眠中の中枢性無呼吸の発生を助長します。 |
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そして無呼吸により二酸化炭素が蓄積すると、次に過呼吸に移行し、脳波上では覚醒反応が起こります。過呼吸はPaCO2を著しく低下させ、それが次の無呼吸を招きます。この繰り返しがチェーン‐ストークス呼吸(Cheyne-Stokes)という無呼吸〜過呼吸の周期的な呼吸を生じます。こういった夜間の無呼吸で低酸素状態がおこると、交感神経の活動が活発になり、睡眠中にも、弱った心臓に負担をかけ続け、心不全を更に悪化させたり、不整脈を起したりして生命予後を悪化させます。
慢性心不全に合併する中枢性無呼吸ではCPAP治療は有効性が認められず、2〜4L/分の低流量の酸素吸入療法が治療法となります。 |