無呼吸低呼吸指数(AHI)≧20では高血圧が合併しやすいと統計的に証明されており、積極的治療の対象です。睡眠時無呼吸症候群の15〜56%に高血圧が合併しています。無呼吸とともにおこる低酸素と覚醒反応が交感神経を刺激して、血圧を上昇させていると考えられています。さらに特徴的なのは、夜間の無呼吸のある時間だけでなく、日中の起きている時間帯でも交感神経の活動が亢進したままで血圧が上がっていることです。
アメリカでは、二次性高血圧(原因のわかった高血圧)の第一位が睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群をCPAPで約1年治療すると、収縮期血圧が
11.2mmHg、拡張期血圧が5.9mmHg低下したと報告されています。
このような事実から、内科医が高血圧の患者さんを診るときには、いつも睡眠時無呼吸症候群の存在を疑う必要があり、すぐ降圧薬だけで軽率に治療することは避けなくてはなりません。また、CPAP治療など適切な治療で無呼吸が改善したときには血圧が低下してきますので、降圧薬の減量などのタイミングも注意しておかなくてはなりません。
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無呼吸による低酸素と覚醒反応が交感神経を刺激し、心臓に休息を与えません。また、胸のなかの圧力が下がって心臓へ戻る血液が増加するため、心臓のポンプとしての仕事量が増加します。また低酸素は肺の血管攣縮を起こして肺動脈圧を高めます。その結果、不整脈・虚血性心疾患・心不全・肺高血圧などの循環器を高率に合併することが知られており、寿命も短縮します。まして、はじめから心臓の病気をもっている場合は更に危険といえます。
冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)の患者さんの3割ぐらいに睡眠時無呼吸症候群を合併しているといわれます。またSHHS(SleepHeart
Health Study)というアメリカの研究では、睡眠時無呼吸症候群の16%が心筋梗塞・狭心症・心不全・脳卒中に罹患したと報告されています。冠動脈疾患を一度おこした場合でも、一般では5年以内の再発率は9%ですが、睡眠時無呼吸症候群では38%まで再発率が増加する、と報告されています。
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