肺の十分膨らまない不快な鼻呼吸から口を開けて呼吸する口呼吸への移行はどの時点で起こるのでしょうか。肺が十分に膨らまない状態は血液中の酸素濃度を下げ、二酸化炭素濃度を上昇させますから苦しいものです。この苦しさに対する許容度は各人によって多少の違いがあるでしょうが、この辺りが口呼吸への移行の始まりではないかと想像されます。
口呼吸により一回の呼吸で楽に大量の酸素摂取が可能となります。運動という観点から見れば激しい運動時は血液中酸素濃度が急に低下する危険性があるため、一回の吸気で楽に大量の酸素を肺に供給できる口呼吸へ移行することがマラソン選手などでもよく見受けられます。では不要なのか?
鼻本来の役目として吸気の加温、加湿がありますが、高度の鼻閉や激しい運動で口呼吸を行うことにより鼻呼吸より温度が低く、湿度の低い空気が肺に吸入されることになります。結果として肺の粘膜などが乾燥した肺には不利な方向へ進みます。 |
|
少し説明が難しくなりますが口呼吸では肺の抹消(まっしょう)部分の閉塞(へいそく)やガス交換を最終的に行う細胞を壊すこともよく知られています。短期の口呼吸は合目的な場合もありますが、長期的にはどうしても不利な状況にあります。
すべての鼻疾患の治療の目的の一つは気道(鼻から肺まで)の空気の流れの正常化にあります。言い換えますと、ほとんどの鼻疾患は鼻の抵抗を増加させ肺の膨らみを減少させます。
私が臨床を通じて最も心配なのは軽度の鼻閉の患者さんと子供たちです。
元来鼻が少しつまっている程度では、このような肺の膨らみの減少など気にもかけていないからです。
また口呼吸のできる鼻の悪い子どもは鼻呼吸の快適さを知らないことです。
この広い野原いっぱい咲く花の・・・という森山良子の歌がありましたが、鼻で思い切り胸を膨らませてください。きっと幸せを感じます。
私は20年前鼻の手術を受け草原では幸せになりました。 |