前回も身近な例として少し紹介させてもらった私の父は、今思い起こすと、その轟音が迷惑な、かわいそうな睡眠時無呼吸患者でした。とにかく、いびきは気道の狭窄を伴いますから、睡眠中に酸素不足を起こすことがあります。
酸素不足のため心臓はフル稼働し、血圧も上昇することがあります。閉塞が起こればなおさらです。
繰り返される狭窄や閉塞は、たとえていえば繰り返し水中に潜ることと同じで、酸素不足で苦しくなれば目を覚まして水面上に出て空気を吸わなくてはなりません。いびきをかく人は、実は毎日夜中に十分な睡眠をとっていないのです。いびきをかく人が、揺れる寝台列車の中で真っ先に眠るのはこのためです。睡眠時無呼吸症候群の患者さんに、日中傾眠の傾向が強く追突事故が多いといわれているのも、ご理解いただけると思います。 |
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一般にいびきは、横向きに寝ていると小さくなります。停車音でいびきが長く止まった場合、たいていその後は横に向いて寝ておられます。
注意深く観察していますと、いびきを聞くだけで、その人がどのような姿勢で寝ているか、その人の体形、あごやのどの形態までが想像できるようになり、治療方法まで考えてしまい、ますます目がさえてしまいます。翌朝、寝台列車で、そのいびきの方と対面すると、不思議な親近感と満足感を覚えます。
私の想像していた体形、顔つきとそっくりな場合、いびき以外の世間話をして、別れ際に一言、専門医受診を告げさせていただいております。ただし私はいびきをかきません。
妻は時々うるさくて眠れなかったと言いますが・・・。 |