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アレルギー性鼻炎の治療

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アレルギー性鼻炎は治るのでしょうか?

 現代の医学では症状の改善はできますが、完全に治すことは不可能です。杉の花粉症は今研究中のワクチンなどで治って行く可能性もあります。ダニやその他の花粉についてはワクチンはまだ開発されていません。しかもアレルギー性鼻炎は遺伝も関与しています。

 ですから将来すべての花粉やダニについて遺伝子上での解明が進みワクチンができれば完治に近い状態になるかもしれませんが、今のところは花粉症も含めて症状を抑えることしかできないのです。
症状は抑えられても、そのものが完全に治るのは10年以上先でしょう。
では、薬をずっと使うのでしょうか?

薬はずっと使うのでしょうか?

 使いません。またできれば使いたくありませんが、
正常な鼻の機能が薬なしでも維持できれば使うことは無いのです。
維持できなければ使わざるを得ないこともあります。
100%副作用の無い安全な薬は殆どありません。
鼻の正常な機能は鼻のみだけではなく全身にも及びますので、
薬を使うことのメリット、デメリットをよく考え、使わなければならないこともよくあります。
   

鼻の正常な機能

 鼻の機能は加温、加湿、細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫ですが、
それ以外にも大切な機能があります。一般的に鼻だけのことを考えて薬を使うな、使いなさいは良くないのです。本当に鼻は必要なのです。
■鼻づまりと全身との関係
 一般に局所の問題だけが取り上げられますが、鼻づまりがあると下気道の弾力性が損なわれます。
肺が大きく膨らまなくなり、また萎みにくくなります。
日常生活では問題になりませんが、このような状態では風邪をひいたときに痰が出しにくくなります。また、運動時などには効率よく大きく肺が膨らまないため、酸素と二酸化炭素のガス交換が上手くできなくなり持久力がなくなります。
慢性の酸素不足は血管の痙攣を起こし高血圧の原因にもなります。
 
肺の方から見ますと吸う力ばかり大きくて(食道内圧の増大)空気が入ってこない状態になります。空気が入ってこない代わりに、鼻から肺までの柔らかい組織が吸い込まれます。
夜間睡眠時であれば子供の柔らかい胸郭、ミゾオチが凹み漏斗胸になります。
食道内圧(言い換えれば胸腔内圧)が大きいのに肺が膨らまない、空気が肺に入らないと全身からの血液が大静脈を経由して心臓(右心房、右心室)に帰るタイミングが悪くなり、結果として循環器系に悪影響を与えてしまいます。心不全です。
 
嚥下と呼吸の両方の役目を持つ柔らかい咽頭部分ではその部分が吸い込まれ、細くなり、すごい速さで空気が流れます。その結果、咽頭ちんこ等を振動させていびき音を発生させます。
さらに吸う力が大きいのに空気が入ってこないと咽頭が完全に吸い込まれ閉塞し息ができなくなります。睡眠時無呼吸症候群です。
■鼻−肺反射
 鼻と肺との関係は生理学的にも古くから研究され、鼻のとおり具合がよくなると殆ど全ての肺機能のパラメーターがよくなることが判っています。
■睡眠障害と成長ホルモン
 睡眠時の鼻づまり、鼻水は睡眠障害を引き起こします。息苦しくて眠れないので、この睡眠障害は眠ってから起こる睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群とは少し違います。入眠障害です。
一般的に正常では深い睡眠中には、脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌されます。鼻の症状があり眠れないと睡眠時の成長ホルモンの分泌が抑制されます。
ホルモンの分泌減少の結果として起こる症状は睡眠時無呼吸症候群と同じです。
成長期が過ぎれば、重要な役割はないと考えられてきた成長ホルモンですが、成長ホルモンは私たちの基本的な生体活動である代謝に大きな影響を与えているのです。
例えば、脂肪の分解を促したり、たんぱく質の合成を促進したり、糖質、骨、水分やミネラルなどさまざまな代謝を調節しながら、体が常に一定の状態に保たれるよう、バランスを保つ役割を果たしています。
別の見方をすれば成長ホルモンは代謝を促して身体の組織で傷んでいるところを治す作用があります。

 子供の場合はさらに骨を伸ばし、筋肉を増やす作用があります(寝る子は育つ)ので、子供の睡眠を犠牲にすることは、子供の身体や脳の発達を犠牲にし、成長障害を引き起こします(背が低い)。子供のころから成長ホルモンがあまり分泌されない人の場合、若い頃から生活習慣病にかかりやすいともいわれています。

 成人の場合では、成長ホルモンの不足で起こるおもな症状は以下のものです。
体脂肪の増加、ぽっちゃりとした肥満、コレステロール値の上昇、骨量の減少(骨粗しょう症)、筋力の低下、運動能力の衰え、心臓や腎臓の機能低下、全身倦怠感、疲れやすい、気力の低下、うつ状態、性欲の減退、皮膚がカサカサする、手足の冷え、老化の加速。

 先ほども書きましたように 鼻は鼻のためだけに在るのではなく、下気道(肺)や循環器、発育などの為にも正常に保たなくてはなりません。 鼻のためにでは無く、それ以外の理由もあり治療、薬が必要となるのです。飲まなければ副作用は起こりませんが、飲まないでいることの不利益も鼻以外の場所で十分起こるのです。
   

点鼻薬は安全でしょうか

 耳鼻咽喉科で使う点鼻薬と市販のものをここでは区別し市販のものについては後述します。
耳鼻咽喉科で使う点鼻薬には 血管収縮液(トーク、プリビナ) ステロイド点鼻液、
抗アレルギー剤点鼻液があります。結論から言って治療のためには全て必要なものです。
医師の指示に従えば副作用に関しても全く心配ありません。
■血管収縮剤
 鼻の粘膜血管を収縮させ鼻の通りを良くするお薬です。
鼻があまりにもツマッテイル時は鼻をかもうと思っても、うまくかめないことが多いものです。
また他の点鼻液を入れようと思っても効率よく入っていきません。
鼻づまりを取って他の薬による治療が効率よく行われるために使います。
もちろん前述のように夜間の鼻づまりによるいろいろな問題を解消するときにも使います。
いろいろな病気の結果として起こる鼻づまりを取るためのもので、咳が出すぎて他の薬が飲めないときに出す咳止めとよく似ています。
あまりにも小さい子供には無理なことがあります。
3歳以上であれば適度に希釈し、使用頻度さえ限れば全く問題ないと思います。
■ステロイド点鼻液
 ステロイドと聞くとすぐに副作用を頭に浮かべる人も多いと思います。
たしかにこれは間違いではありません。ステロイド薬は優れた強力な薬ですが、強い副作用も同時に起こりうるので使用上細心の注意が必要です。しかし、安易に副作用だけを恐れているのは無意味です。
なぜなら、どんな薬でも必ず副作用があるからです。
ステロイド薬は使い方さえ(?)まちがえなければ、インチキくさいアトピービジネス商品と異なり、ほとんど確実に有効な薬です。良識的な医師の指導の下で使用していれば、副作用が出ても対処を考えてくれます。

 ステロイド点鼻液は経口・注射剤による全身性の副作用を防ぐために開発された、非常に画期的な剤型です。鼻にしか作用しないので、全身性の副作用はほとんどありません。子供、妊産婦、授乳中のお母様にも使えるものがあります。
アレルギー症状の最盛期時期に限定して数週間から数カ月使うものですが、しかし副腎皮質ステロイドということで普通は極度に恐れることは全くありません。
アレルギー性鼻炎、花粉症最盛期に医師の指導下で使って戴きたいのです。
   

もう一度 薬はずっと使うのでしょうか?

 小さいころから 鼻づまりがある子供は大人になっても鼻づまりを訴えることはありません。
しかし、一度快適な鼻の生活を味わえば、自らが鼻の調子の悪い時に主体的にお母さんに訴えることでしょう。鼻が詰まって眠れないと泣くかもしれません。耳鼻科に連れて行ってくれと、学校から帰ったら直ぐに言うかもしれません。大きな深呼吸もしづらくテレビゲームもままならない状態で、テレビゲームよりも先に病院だというかもしれません。治療は終了です。快適な鼻の生活をすることを覚えたからです。 将来ワクチンが開発され、その治療に参加するためには自ら正常な鼻を知らなければなりません。自ら正常な鼻を理解することです。ある程度の期間、薬物を利用して、正常な鼻で快適な生活を送ることが正常な鼻を理解するには必要です。その場合使用した薬の投与量は必要な量です。がしかし、あまりにもその為に通院日数が増えたり、服薬が多くなりますと生活の質の向上が損なわれます。
その為に手術があるものと私は考えます。手術により通院日数が減り、薬の量が減れば十分です。薬なしで鼻の快適な生活が送られていれば薬は不要です。快適な鼻と医師が客観的に判断し患者様自らも快適と主観的に判断、それが同時に一致すれば基本的な治療は終了です。
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