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睡眠時無呼吸症候群について・睡眠呼吸センター開設に際して |
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最近いびき、睡眠時無呼吸を伴い、日中の眠気、頭痛、注意散漫など、多彩な症状を訴えて来院する患者さんが増加しております。
一部にマスコミの影響もありますが、終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー・PSG)を行ってみますと、睡眠中の上気道狭窄が、これらの症状の原因と考えられる患者さんが少なくありません。
睡眠中は舌、軟口蓋など、咽頭に接する筋肉が弛緩することによって、健康な方においても中咽頭を流れる空気の抵抗は上昇します。しかし、口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌根扁桃肥大、軟口蓋の形態異常、下顎骨、舌の形態異常、肥満などによって、中咽頭腔がもともと狭い人、または、甲状腺機能低下症などによって、睡眠中に異常に強い中咽頭周囲の筋肉の弛緩がおこる人では、睡眠は咽頭腔のさらに強い狭窄をおこし、睡眠時無呼吸、睡眠障害の原因となります。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療は、上気道の内視鏡検査、X線検査(セファロメトリー)、簡易型終夜睡眠時無呼吸検査、終夜睡眠ポリグラフ検査を用いて、睡眠による上気道閉塞の部位、原因の診断と重症度の診断に始まります。
次に原因に応じて、経鼻CPAP、口腔装具(マウスピース)、手術(口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌根扁桃切除術、軟口蓋・咽頭形成術、鼻腔形態形成術、下顎骨正中部前方移動術)、栄養指導などの治療法を選択します。手術によって睡眠時無呼吸症候群が著明に改善する症例も少なくありませんし、手術による改善が難しいと考えられる症例に対しては、口腔装具、経鼻CPAPを用いて治療します。
経鼻CPAPに関しては、圧の自動調節が可能なコンパクトな器機が市販されておりますし、また口腔装具も健康保険の適応となり、睡眠時無呼吸症候群に対する治療環境は最近著明に改善しております。
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この度、学友、星野忠彦先生が、西宮市の阪神西宮駅前ビル内に耳鼻咽喉科、いびき・睡眠呼吸センターを開設しました。
先日、大阪での講演会の帰路に、新設された星野先生の施設を見せて頂きましたが、清潔で広いスペースに、耳鼻咽喉科疾患、睡眠時無呼吸障害の診断、治療に必要な最新の器機が機能的に配置せれており、憩いのスペースとしての待合室に置かれた巨大なオルゴールから、自動予約システムまで、この領域の医療にかける星野先生の夢と情熱を十分に感じることができました。
日本においては閉塞性睡眠時無呼吸症候群がほとんど話題にならなかった昭和45〜50年頃、私たちは新設の秋田大学医学部耳鼻咽喉科教室において、睡眠時無呼吸症候群の病態に関する研究を行っておりました。現在のようなコンパクトなポリソムノグラフィーが無かった時代に、手持ちの器機を組み合わせていびき音、食道内圧、換気量、胸郭運動、SPO2、脳波を患者さんのベッドサイドで測定しておりました。
ほとんど手作業であり、日中の大きな手術で疲れた我々にとって、この終夜にわたる仕事は肉体的にかなりきついものでした。
この仕事の最初の協同研究者が星野先生であり、当時の研究成果は米国の耳鼻咽喉科専門誌に数編に分けて発表することができました。この領域における日本発の最初の論文であったとおもっております。
その後、星野先生は、上気道の呼吸生理学に関する優れた研究を続けられ、特に鼻粘膜、翼口蓋神経節の局所反射の電気生理学的研究は、今日においても関連論文において必ず引用されております。
長い間の上気道呼吸生理学の研究に基づいた星野先生の睡眠時呼吸障害の臨床にかける夢が実現されつつあるのを見て、大変うれしく思っております。
先生のますますのご発展を祈っております。
前 千葉大学医学部 耳鼻咽喉科 頭頸部外科教授
財団法人 脳神経疾患研究所付属総合南東北病院
アレルギー・頭頸部センター 所長
今野 昭義 |
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